SBI VCトレードの手数料一覧はほぼ全部「無料」。では何に費用がかかるのか調べた
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手数料表で金額が発生するのは1項目だけ
SBI VCトレードのVCTRADEサービスの手数料一覧を全項目確認したところ、金額が発生すると明記されているのは取引所(板取引)のテイカー手数料 0.05% だけだった。口座開設、口座維持、日本円の入金・出金、暗号資産の入庫・出庫は、すべて「無料」と記載されている。
ただし手数料表に載らないまま負担が発生する箇所が2つある。販売所のスプレッドと、他社から送付する際の送付手数料である。前者は公式に数値の記載がなく、後者は公式が利用者負担と明記している。
この記事は、表に載っている項目と載っていない項目を分け、100万円の取引で実際にいくらになるかを計算する。
手数料一覧(2026年8月4日時点)
| 項目 | 現物取引 | レバレッジ取引 |
|---|---|---|
| 口座開設手数料 | 無料 | 無料 |
| 口座維持手数料 | 無料 | 無料 |
| 取引手数料 | 販売所:無料 取引所:メイカー/テイカー手数料 | 無料 |
| ロスカット手数料 | 該当なし | 無料 |
| 日本円の入金手数料 | 無料 | — |
| 日本円の出金手数料 | 無料 | — |
| 暗号資産の入庫(受取)手数料 | 無料 | — |
| 暗号資産の出庫(送付)手数料 | 無料 | — |
この表の数値は公式の手数料一覧ページ(2026-08-04確認)の記載をそのまま整理したもの。
取引所のメイカー手数料はマイナスになっている
見落としやすいのがここで、取引所の手数料率は次のとおり記載されている。
メイカーが -0.01%、テイカーが 0.05%。メイカー側はマイナスなので、条件を満たすと手数料を支払うのではなく受け取る側になる。
そして公式には「指値注文が約定した場合は全てメイカー手数料が適用されます」と明記されている。つまり成行ではなく指値で注文して約定すれば、テイカー手数料はかからない。
「販売所は手数料無料」という表記だけを見ると販売所が有利に思えるが、手数料率だけで比べれば取引所のメイカーのほうが条件は良い。
100万円を往復させたときの取引所手数料
上の料率から、100万円分を買って同額を売る(往復)場合の手数料を当サイトで計算した。
| 約定のしかた | 計算 | 手数料 |
|---|---|---|
| 往復ともテイカー | 100万円 × 0.05% × 2 | 1,000円の負担 |
| 片道テイカー・片道メイカー | 500円 − 100円 | 400円の負担 |
| 往復ともメイカー | 100万円 × 0.01% × 2 | 200円の受取 |
この表は公式記載の料率(メイカー -0.01% / テイカー 0.05%)から当サイトが算出したもので、公式サイトに同じ計算は掲載されていない。
往復ともテイカーと往復ともメイカーでは、100万円の取引で1,200円の差が出る。
販売所と取引所、どちらの負担が小さいか
販売所は取引手数料が0円なので、負担はスプレッド(買値と売値の差)だけになる。一方の取引所は上の計算のとおり、往復テイカーで取引額の0.1%(100万円なら1,000円)。
ここから分岐点を計算できる。
- 販売所の往復スプレッドが取引額の0.1%を超えるなら、同じ数量を約定させる限り取引所テイカーのほうが負担は小さい
- メイカーで約定できる場合は手数料が受取(往復 -0.02%)になるため、販売所のスプレッドが0でない限り取引所のほうが負担は小さい
ただしこの分岐点を実際に当てはめることは、この記事の情報だけではできない。販売所のスプレッドは公式に数値が公表されておらず、公式自身が「スプレッドは暗号資産の価格の急変時や流動性の低下時に拡大することがあり」と説明しているとおり変動するためである。どちらが安いかは、注文する時点の提示価格を自分で見て判断するしかない。
そもそも取引所を選べない銘柄がある
もう1点、手数料率の比較より前に効いてくる条件がある。公式は次のように明記している。
当社では、暗号資産・電子決済手段ごとに提供する取引形態(販売所・取引所)及び取引を提供するサービスが異なるため、同じ暗号資産に係る取引であっても、複数の価格が存在いたします。
つまり銘柄によって、販売所と取引所のどちらが提供されるかが異なる。ここまでの「取引所のメイカーが有利」という話は、その銘柄で取引所(板取引)が選べる場合に限った比較である。買いたい銘柄に取引所が用意されていなければ、選択肢は販売所だけになり、負担はスプレッドのみになる。
どの銘柄がどちらに対応しているかは手数料ページには書かれていないため、この記事では確認していない。取扱いページか取引画面で銘柄ごとに確認する必要がある。
なお価格の更新間隔は販売所・取引所ともに約1分間隔と記載されている。
手数料表に載らない負担が2つある
1. 販売所のスプレッド
上で触れたとおり。公式の記載は次のとおりで、数値は書かれていない。
当社の提示するお客さまによる買付価格とお客さまによる売付価格には差額(スプレッド)があります。スプレッドは暗号資産の価格の急変時や流動性の低下時に拡大することがあり、お客さまの意図した取引が行えない可能性があります。
2. 他社から送付するときの送付手数料
暗号資産の入庫(受取)手数料は無料だが、公式には次の注記がある。
当社で暗号資産・電子決済手段を受け取る際に、他の取引所やウォレットから送付指示する際にかかる送付手数料(ブロックチェーン上に記帳するための費用を含みます。)はお客様のご負担となります。
つまり「入庫手数料無料」はSBI VCトレード側が受け取りに課金しないという意味で、送り出す側の取引所やウォレットで発生する費用は別にかかる。他社からの資産移動を予定しているなら、送り出す側の手数料を確認しておく必要がある。
この記事で確認できなかったこと
推測で埋めず、確認できなかった項目をそのまま挙げる。
- 販売所のスプレッドの水準 — 公式に数値の記載がなく、変動する。当サイトも実測していない
- 銘柄別価格一覧の売買レート — ページ上の価格表はスクリプトで描画されるため、当サイトの静的な取得では数値を読めなかった
- 取引所(板取引)に対応している銘柄の範囲 — 全銘柄が対応しているかの記載を確認できていない
- 最低取引単位 — 手数料ページに記載がない
- 貸コインの年率、ファンディングレートの水準 — 別ページに記載があり、今回は確認していない
- 他社との手数料比較 — 他社の数値を確認していないため比較していない
- 口座開設に要する日数・審査条件 — 未確認
- BITPOINTサービス側の手数料 — この記事はVCTRADEサービスのみを対象としている
取引を始める前に
暗号資産の取引には、手数料とは別に次のリスクがあると公式が明記している。
- 暗号資産及び電子決済手段は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではない
- 価格変動により損失が生じる可能性がある
- 移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性がある
- 当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産等を返還することができない可能性がある
- 秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産等を利用することができず、その価値を失う可能性がある
レバレッジ取引についてはさらに、「少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができる一方、急激な暗号資産の価格変動等により短期間のうちに証拠金の大部分又はそのすべてを失うことや、取引額が証拠金の額を上回るため、証拠金等の額を上回る損失が発生する場合があります」と記載されている。レバレッジ倍率は個人で最大2倍、法人は日本暗号資産等取引業協会が定める倍率とされている。
公式は取引開始前に「サービス総合約款」「暗号資産取引説明書(契約締結前交付書面)」等を読むよう案内している。手数料の比較はあくまで費用面の話であり、取引するかどうかの判断はこれらの書面を読んだうえで自分で行う必要がある。
なお同社の登録情報は、第一種金融商品取引業が関東財務局長(金商)第3247号、暗号資産交換業が関東財務局長 第00011号、電子決済手段等取引業が関東財務局長 第00001号、加入協会が一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会(会員番号1011)ほかと記載されている。
まとめ
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 手数料表で金額が出る項目 | 取引所のテイカー手数料 0.05% のみ |
| 手数料表に載らない負担 | 販売所のスプレッド、他社からの送付手数料 |
| 100万円往復(テイカー) | 1,000円の負担 |
| 100万円往復(メイカー) | 200円の受取 |
| 販売所と取引所の分岐点 | 往復スプレッドが0.1%を超えるかどうか(当サイト算出) |
| 前提 | その銘柄で取引所が提供されている場合に限る |
手数料の記載は変更されることがある。申込前には必ず公式サイトで最新の条件を確認してほしい。